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海でのドローンフライトを危険と見るか安全と見るか Vol.2

更新日:2019年12月5日


ここ2年の間で発売されたドローンは、空撮業者の価格崩壊を起こすくらい高性能化しています。幸い価格崩壊は今のところ一段落していますが。


操縦電波が途切れたり、バッテリー残量が少なくなると、離陸した場所に自動で戻ってくる機能が現在販売されているDJI製ドローンのほどんどの機種で搭載されています。


初心者にとってもベテランにとってもありがたい機能ですが、水上発着の場合はこれらの自動帰還機能は残念ながら使えません。

この自動帰還が原因で着水事故を起こしてしまうことすらあります。



自動帰還モードの罠

遠方で飛ばしていて、機体を手元に戻したい時や機体を見失った時、バッテリー残量が危険ん領域に達した時に使用するReturn to Home(以下RTH)モード。地上で飛ばしている時は頼れる機能ですが、海の上では全くと言っていいほど使えません。

低電圧でのRTHは特に致命的です。特にセールボートの方にとっては。


自動帰還モードの罠を回避するためには、以下のことに気をつけて運用してください。

  • ホームポイントは変更操作をしない限り、最初に記録された場所のまま変わらない。

  • インシデントが発生して自動帰還となった場合は、手元ではなく離陸した場所へ帰ってしまう。

  • ローバッテリーRTHも、最初に記録したホームポイントに帰還することを前提に既不動ポイントが設定されている。

  • 航走中にフライトを行なっていると、気がついたらホームポイントから数kmの地点にいて、RTHの起動タイミングが早くなっている。

  • 動体からのフライト中は、こまめにホームポイントの更新を。

移動しながらのフライトの場合、ホームポイントは最初にGPSを測位した場所に設定されます。飛んでいるドローンは何かあったときには常にココに帰る事を考えています。

しかし、移動体から離陸させた場合、ホームポイントには何もありません。RTHモードに移行しGo Homeがかかってしまうと、何もないホームポイントに帰っていくという事です。

足の速いパワーボートなら良いですが、どんなに頑張っても10kt程度しかでないセールボートは追いかけることができません。

RTHモードで飛行するドローンは結構速いですよ。



バッテリー残量表示を信じてはいけない

DJI製ドローンを飛行させる際に使用するモバイル端末用アプリケーション。ここに様々な情報が表示されていますが、飛行中に注目しておくべき情報は、バッテリー残量でしょう。

バッテリーに関する情報は、残量と飛行可能時間が表示されていますが。バッテリーの残量はほぼ正確です。飛行可能時間はあくまで目安です。

そもそもバッテリー残量が0%になるまで飛べると考えているなら、それは是非考えを改めていただきたい。ドローンのバッテリーは、特性上ギリギリまで頑張ってくれますが、残量が0に近づくと突然出力が無くなります。

それを防ぐために、残量30%程度でアラートを鳴らし、ホームポイントに帰ってこられる残量となったところでRTHモードに移行し手元に帰ってくる仕組みになっていますが、この機能も完全とは言えない。

これならホームポイントに戻れるとドローンが判断している電圧は、現在吹いている風を考慮していません。

地上から離陸させた場合であっても、風下に向かって飛んでいる場合は、手元に帰ってくるためには風に逆らって飛ぶ必要があります。そのため、無風状態で帰還するのと比べると多くの電力を必要とするので途中で力尽きる恐れも。

電池切れで帰ってきたドローンが、手前で落ちて・・・という経験のある方も少なからずいるのではないでしょうか。

昔は、バッテリー容量が小さいにもかかわらず遠くに飛ばして、電池切れを起こす例が多かったですが、今では「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と無理をして電池切れを起こす事例が増えているとか。

とにかく、バッテリー残量に余裕を持ったフライトを心がけてください。

 

次回は、「衝突回避機能の適切な使用」と「港湾区域や航路上での飛行はやめてほしい by 海保」、「海上でも適用される飛行規則」についてです。







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