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ドローン法規制|第7章 第三者との安全距離確保

更新日:2020年1月24日

飛行させているドローンを無闇に人や者に近づけるのは、さすがに危険極まりない行為です。

特にそれが無関係な第三者であったなら、尚更です。

 

当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。(航空法第132条の2 第7号)


法第百三十二条の二第三号の国土交通省令で定める距離は、三十メートルとする。(航空法施行規則第236条の4)

 
人口集中地区の飛行許可とセット

⼈⼝集中地区内で⾶⾏させる場合は、必ずと⾔って良いほど、第三者や他の物件に近付かざるを得ません。そうでなくても、⽇本は世界的に⾒ても⼈⼝密度が異常な国で、故に建物も密集しています。

樹脂製とは⾔え、プロペラを⾼速回転させて⾶⾏している無⼈航空機を、⼈や物の近くで⾶⾏させることは、プロペラとの接触による裂傷、重量物がぶつかる事による挫傷、物件の破損が容易に想像できます。


国の審査基準では、プロペラガードの装着などにより安全対策を講じることとされていますが、実際のところ効果的ではありません。そもそも、物にぶつかる前提の考えは間違っていて、フライトプランやオペレーターの操縦技術、⾃律⾶⾏における精度や衝突回避機能の信頼性が⾼い機材を⽤いるなど、まず⼈や物にぶつからない対策を取り、万が⼀への備えが、⾶⾏の妨げになるような対策は安全対策とは⾔えません。


確保するべき安全距離

航空法では無⼈航空機を⾶⾏させるにあたり、他者や他者が管理・所有する物件から、距離を保って⾶⾏させることを求めています。航空法施⾏規則第236条の6で定められているこの距離は、⼈、物件問わず30mです。


ただ、残念ながら法律の多くが机上の空論です。あくまで現場を見ずに官僚や国会議員が会議室で決めた事でしかないので、30mという距離が適切かどうかは、なんともいえません。

もっと距離をとった方がいい物も数多くありますので、近づくと危険そうな物の雰囲気を感じ取れる能力は、鍛えておいて損はありません。

その辺の、通行人に対しても、時と場合によってはさらに距離をとった方がいい場合もあります。

一応の規定はこんな感じ。


距離を取るべき対象 -人-

当該無⼈航空機の⾶⾏に、直接あるいは間接的に関与している者(関係者)を除く全ての⼈が対象です。この関係者とは、操縦者本⼈と⽬視監視者などの補助者、業務における⾶⾏の場合は依頼者、撮影対象の所有者や管理者、被写体となることに合意した⼈も関係者とすることができます。


距離を取るべき対象 -物件-

距離を取るべき対象となる物件とは、⾃動⾞や鉄道・軌道⾞両、船舶、航空機、建設機械や港湾のクレーン等の動体、ビルや⼯場、倉庫、住居などの建物、橋梁や⾼架橋、鉄塔、電柱、信号機、街灯などの構造物、電線等の空中線を含む⼯作物が含まれます。⼟地や舗装道路、堤防、鉄道の線路で⼟地と⼀体となっている物、樹⽊、雑草などの⾃然物も対象物件から外されます。


承認を得ていたとしても距離を取るべき対象

航空法第132条の2第3号に基づく承認を得ている場合であっても、以下に挙げる物件については、無⼈航空機の落下・接触により引き起こされる事象が重⼤であることが容易に予想できることから、⾼速道路や新幹線(⾞両・軌道共に)の付近、⾶⾏中の航空機付近での⾶⾏⾃粛を求めています。無⼈航空機が通過・落下し、⾞両や航空機の往来を妨害したとして「往来を妨害する罪」(刑法第125〜129 条)やその他既存法により刑事訴追される可能性があり、30 万円以下の罰⾦刑から死刑までの刑に処されることを考慮する必要があります。


安易な考えで不必要な⾶⾏や無茶な⾶⾏を⾏った結果、気がつくと取り返しのつかない結果を招いてしまう恐れもあります。


操縦者やその関係者が罰せられるだけならまだしも、事故が起こると被害者が必ずいますし、発展途上であるドローン業界、⾶⾏規制もまだ間に合っていないと考えている⼈が多いので、さらなる規制強化を招き業界の萎縮を招く原因にもなってしまいます。


離着陸時の他者への接近は承認されていない

ドローン経験者でもよく勘違いしている内容です。

無⼈航空機の離着陸に際して求められている安全対策としても、第三者及び第三者が管理・保有する物件から距離を取る必要があります。

離着陸時に確保する安全距離も、巡航⾶⾏中の必要安全距離と同じ30m ですが、航空法第132条の2 第7号に係る承認を得ていても、離着陸時の30m の不確保は、原則承認されていません。離着陸場所は第三者の⽴ち⼊りを制限し、開けた場所か関係者が所有・管理する物件である必要があります。


 

筆者プロフィール

藤永優 【ドローングラファー】

専門:舶上空撮、ドローン法規

映像制作からダムや橋梁などのインフラ保守まで、自動操縦では真似のできない攻めの姿勢のフライトかつ、要望された映像は、法に触れないギリギリラインまで突き詰め形にするのが信条。

 




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